2008年09月20日

専修学校修了予定者の就労ビザ取得


【一般】

専修学校の専門課程を修了した方が、下記の条件を満たす場合には、「留学ビザ」から「技術ビザ」又は「人文知識・国際業務ビザ」への変更を許可する取扱いが行われています。


ただし、「留学ビザ」から変更することなく卒業後そのまま出国し、ビザがなくなった場合は、専修学校を修了したことを理由に「技術ビザ」又は「人文知識・国際業務ビザ」を取得することはできなくなりますのでご注意ください。


専修学校の専門課程を修了後、日本で就職を希望する方は、必ず就労ビザへの変更申請をするようにしてください。


【専修学校修了者が就労ビザを取得するための条件】

1.専修学校修了後、就職先企業で行おうとする仕事内容が、「技術ビザ」又は「人文知識・国際業務ビザ」に該当していること。


※専修学校で取得した専門知識を活用できない職種では許可されません。



2.申請人が「専門士」の称号を有していること。


※専修学校の専門課程を修了しても「専門士」を付与されない場合があるので注意してください。


※「専門士」を付与される専門課程かどうかは、こちらでご確認ください。

文部科学省
修了者が専門士と称することができる専修学校専門課程の一覧
(平成17年3月告示現在)



3.専修学校の専門課程における修得内容と従事しようとする業務が関連していると認められること


※専修学校修了者によるビザ変更申請が不許可となる場合、この関連性がないことが理由となっていることが多いです。


※「従事しようとする業務」を行うために、「専修学校の専門課程における修得内容」が具体的にどのように必要とされるのかを証明することが重要です。


※そもそも、就職内定を得た会社に「従事しようとする業務」が存在しなくてはなりません。
存在しない業務との「専修学校の専門課程における修得内容」の関連性はありえないからです。特に、一見「専修学校の専門課程における修得内容」と関連性を有しない事業を主な目的とする会社への就職した場合は注意が必要です。


ご参考)留学生の卒業後の就職活動継続を目的とするビザ


2008年09月21日

専修学校修了生に対する「技術」等への在留資格変更を許可することの法的意味


【専門家向け】

従来の取扱いを変更し、専修学校修了生に対する「技術」又は「人文知識・国際業務」への在留資格変更が許可されることになりました。


これはどのような法的な意味をもっているのでしょうか?


周知のとおり、以前は、「技術」及び「人文知識・国際業務」に係る上陸許可基準が、「
大学を卒業し若しくはこれと同等以上の教育を受け」たことを求めていることを根拠に、専修学校修了生に対する「技術」又は「人文知識・国際業務」の在留資格変更は許可されていませんでした。


すなわち、「専修学校の場合は、専門課程において教育を受けたときであっても、専修学校の目的には、『深く専門の学芸を教授研究』することが規定されていない等その教育内容が異なるので、大学卒業と同等以上の教育を受けたことにはならない。」とされていたのです(「技術」及び「人文知識・国際業務」に係る入国在留審査要領)。


では、この取扱い変更の法的な意味として、つぎの二つの可能性が考えられます。


1.専修学校を修了した場合も「大学卒業と同等以上の教育を受けたこと」に該当する、との取扱いに変更した。


2.在留資格変更においては上陸許可基準への適合は必須ではないので、上陸許可基準に適合しない場合であっても「変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるとき」に該当する、との取扱いに変更した。


専修学校を修了した者については、大学卒業者と異なり、上陸許可時に「技術」又は「人文知識・国際業務」を決定・付与することを認めず、「留学」から変更する場合のみ「技術」又は「人文知識・国際業務」の資格付与を認めています。


もし、専修学校を修了した場合も「大学卒業と同等以上の教育を受けたこと」に該当する、との取扱いに変更したのであれば、専修学校を修了した者についても、大学卒業者と同様に、上陸許可時に「技術」又は「人文知識・国際業務」を決定・付与することが認められることになります。


したがって、専修学校修了者に対する取扱いの変更は、上記2.を意味しているといえます。



本来、上陸許可基準とは、文字どおり上陸許可時に当該上陸許可基準が規定されている在留資格の決定・付与を認めるかどうかに係る基準であり、「変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り」許可するとされる在留資格変更が直接求める条件ではありません。


しかし、周知のとおり、入管審査の運用上、一般に在留資格変更による当該在留資格の決定・付与の場合も上陸許可基準への適合性が求められています。


この点、「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」も「法務省令で定める上陸許可基準は,外国人が日本に入国する際の
上陸審査の基準ですが,在留資格変更及び在留期間更新に当たっても,原則として上陸許可基準に適合していることが求められます。」としています。

※予断ですが「
求められます」とありますが、法令が求めているのではなく、法務省が「相当性」判断の中身として求めている以上、本来「求めている」と記載すべきか、「法務省によって求められます」と記載すべきです。なぜなら、上記記載では、法令が求めているのか、法務省が行政判断として求めているのか不明であり、その違いは有権者にとって重要だからです。受け身での記載は責任の所在が不明確になりますので行政文書においては原則避けるべきと考えます。


専修学校修了者については
一律学歴要件に係る上陸許可基準の適合を不要としたことは、運用原則の例外として位置づけられます。


更新・変更の個々の事案について、上陸許可基準の厳格な適合が行われないことはありますが、一定の場合について、一律に例外を認めた
初のケースと思われ、その意味で専修学校修了者に対する「技術」等の変更許可を認めたに留まらない重要な意義を本件の取扱い変更は有します。


更新・変更事案については、「相当性」判断の解釈を柔軟に行うことにより、上陸許可基準への適合性を不要する一律的な取扱いをすべきケースは他にはないのかを検討することは、時代の変化に適した入国在留管理を行う上で今後の課題と考えます。





【関連法令】


出入国管理及び難民認定法 第20条(在留資格の変更)

在留資格を有する外国人は、その者の有する在留資格(これに伴う在留期間を含む。以下第三項までにおいて同じ。)の変更(特定活動の在留資格を有する者については、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動の変更を含む。)を受けることができる。

2  前項の規定により在留資格の変更を受けようとする外国人は、法務省令で定める手続により、法務大臣に対し在留資格の変更を申請しなければならない。ただし、永住者の在留資格への変更を希望する場合は、第二十二条第一項の定めるところによらなければならない。

3  前項の申請があつた場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。

4  法務大臣は、前項の許可をする場合には、入国審査官に、当該許可に係る外国人が旅券を所持しているときは旅券に新たな在留資格及び在留期間を記載させ、旅券を所持していないときは当該外国人に対し新たな在留資格及び在留期間を記載した在留資格証明書を交付させ、又は既に交付を受けている在留資格証明書に新たな在留資格及び在留期間を記載させるものとする。この場合において、その許可は、当該記載又は交付のあつた時に、その記載された内容をもつて効力を生ずる。


出入国管理及び難民認定法 法別表第一の二

「技術」に係る部分

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野に属する技術又は知識を要する業務に従事する活動(一の表の教授の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の投資・経営の項、医療の項から教育の項まで、企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)


「人国」に係る部分

本邦の公私の機関との契約に基づいて行う法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する知識を必要とする業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の投資・経営の項から教育の項まで、企業内転勤の項及び興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)


出入国管理及び難民認定法施行規則 第20条(在留資格の変更)

法第二十条第二項の規定により在留資格の変更を申請しようとする外国人は、別記第三十号様式による申請書一通を地方入国管理局に出頭して提出しなければならない。

2  前項の申請に当たつては、申請に係る別表第三の上欄に掲げる在留資格に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる資料及びその他参考となるべき資料各一通を提出しなければならない。

3  第一項の申請に当たつては、次の各号に掲げる書類を提示しなければならない。この場合において、旅券又は在留資格証明書を提示することができない者にあつては、その理由を記載した書類一通を提出しなければならない。

一  旅券又は在留資格証明書
二  登録証明書等
三  第十九条第四項の規定による資格外活動許可書の交付を受けている者にあつては、当該資格外活動許可書

4  第十九条第三項の規定は、第一項の申請について準用する。

5  第一項の規定にかかわらず、外国人が疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合には、当該外国人は、地方入国管理局に出頭することを要しない。この場合においては、当該外国人の親族又は同居者若しくはこれに準ずる者で地方入国管理局長が適当と認めるものが、本邦にある当該外国人に代わつて第一項に定める申請書及び第二項に定める資料の提出を行うことができる。

6  法第二十条第四項 に規定する旅券への新たな在留資格及び在留期間の記載は、別記第三十一号様式又は別記第三十一号の二様式による証印によつて行うものとする。

7  法第二十条第三項 の規定により在留資格の変更の許可をする場合において、特定活動の在留資格への変更を許可するときは、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を記載した別記第七号の四様式による指定書を交付するものとする。

8  法第二十条第四項 に規定する在留資格証明書の様式は、別記第三十二号様式による。



出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(上陸許可基準)
(平成二年五月二十四日法務省令第十六号)

「技術」の上陸許可基準

申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が情報処理に関する技術又は知識を要する業務に従事しようとする場合で、法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する試験に合格し又は法務大臣が告示をもって定める情報処理技術に関する資格を有しているときは、一に該当することを要しない。

一 従事しようとする業務について、これに必要な技術若しくは知識に係る科目を専攻して大学を卒業し若しくはこれと同等以上の教育を受け又は十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間を含む。)により、当該技術若しくは知識を修得していること。

二 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。


「人文知識・国際業務」の上陸許可基準

申請人が次のいずれにも該当していること。ただし、申請人が、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法(昭和六十一年法律第六十六号)第五十八条の二に規定する国際仲裁事件の手続についての代理に係る業務に従事しようとする場合は、この限りでない。

一 申請人が人文科学の分野に属する知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、従事しようとする業務について、これに必要な知識に係る科目を専攻して大学を卒業し若しくはこれと同等以上の教育を受け又は従事しようとする業務について十年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該知識に係る科目を専攻した期間を含む。)により、当該知識を修得していること。

二 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれにも該当していること。

イ 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること。

ロ 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は、この限りでない。

三 申請人が日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。