【通達者と通達の名称】

法務省入国管理局長 通達 通知

法務省入国管理局入国在留課長 通知

法務省入国管理局入国在留補佐官 事務連絡

法務省入国管理局入国在留課法務専門官 事務連絡

法務省入国管理局登録課長 通知

法務省入国管理局登録管理官 通知 

法務省入国管理局登録課 事務連絡

法務省入国管理局登録課 事務連絡(通知)

 

など

【通達の文書名】

入国在留審査要領(局長通達)

上陸審判規程(大臣訓令)

上陸審判要領(局長通達)

違反審判規程(大臣訓令)

違反審判要領(局長通達)

仮放免取扱要領(局長通達)

外国人登録事務取扱要領(局長通知)

など
 



 

「訓令」:上級行政機関が下級行政機関の権限の行使について、これを指揮するために発する命令(上司が部下の職員に対して発する「職務命令」も訓令と呼ばれることがある)


「通達」:上級行政機関が下級行政機関および職員に対して、一定の事実、法令の解釈、執行の基準などを示達するもの

機能)行政の意思の一体性と統一的行政の運営

      法令の解釈適用の過誤の防止、その適用の統一性、公平性などの確保

      行政運営の統一性(裁量権の公平・妥当な行使)の確保


「告示」:行政機関がその決定した事項を公式に不特定多数の者に知らせる(公示する)必要がある場合に発するもの(法的拘束力をもつものではないものもあり、実質上法令の内容を補充する『法規たる性質』をもつものもある)

【専門家向け】


行政の内部関係拘束力あり(行政機関、職員の行動基準違反は職務命令違反)


行政の外部関係「私人」の法的利益に対する直接の影響なし(BUT 間接的影響)

行政規則で定められた裁量規準に違反する行為平等原則違反?

「法律が行政庁に行政行為を行うにつき自由裁量権を与えるということは、他面、行政庁に、個々的なケースにおいてまさにそのケースの事情に適合した判断を行う義務を負わせる、ということを意味するものでもある」(藤田宙靖「第4版行政法(総論)」290頁)

行政規則で定められた裁量基準に違反する行為平等原則違反の推定のみ

参照)マクリーン事件判決(最判昭和53年10月4日)傍論

「行政庁がその裁量に任された事項について裁量権行使の準則を定めることがあっても、このような準則は、本来、行政庁の処分の妥当性を確保するためのものなのであるから、処分が右準則に違背して行われたとしても、原則として当不当の問題を生ずるにとどまり、当然に違法となるものではない」



【専門家向け】



我々の入管行政を理解する上で不可欠な入管の通達等についてご紹介致します。適正な入管行政を考察するための一助としてご活用ください。



【平成12年12月25日 局長通達 法務省管在第4135号】
「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の在留資格「投資・経営」の上陸許可基準に係るガイドラインについて」
(全文:PDFファイル)

(内容要旨)
在留資格「投資・経営」の在留資格該当性判断において要求される「当該事業」の「規模」を「新規事業を開始しようとする場合の投資額が年間500万円以上であること。」と定めた画期的な通達。本通達の趣旨は、下記平成12年12月25日事務連絡にて具体化。



【平成12年12月25日 事務連絡】
「出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令の在留資格「投資・経営」の上陸許可基準に係るガイドライン策定の背景及びその運用について」
(全文:PDFファイル)

(内容要旨)
いわゆる「投資・経営」ガイドラインの策定背景(OTO:市場開放問題等苦情処理推進会議において、問題提起者が「2人以上の常勤職員の確保」を在留資格「投資・ 経営」の要件とすることに異議を唱えたこと)、ガイドラインが年間500万円以上の投資額を要求していることの根拠、運用のあり方など。
「投資・経営」の上陸許可基準を理解する上で必読


【コメント】
この事務連絡によって示された「投資額」の意義による限り、「投資額」=「資本金」ではありません。しかしながら、入管現場では「投資額」=「資本金」と理解している審査官も少なくないようです。




【平成16年2月17日 事務連絡】
「在留資格『投資・経営』及び『企業内転勤』の留意点について
(全文:PDFファイル)

(内容要旨)
総合規制改革会議において、「投資家・経営者等に関する在留資格の明確化」及び「海外からの外国人転勤者に関する在留資格の周知徹底等」について、平成16年度中に措置することが決定されたことを受けて、「投資・経営」と「企業内転勤」について解説したもの。


【コメント】

「投資・経営」及び「企業内転勤」「技術」「人文知識・国際業務」の解釈について疑問はあるものの、その考察につき極めて有益な示唆を与えてくれるものです。

1.「投資・経営」について

「(経営者となる外国人や当該外国人に経営を委任する外国人や外国法人の)投資額に実質上会社の経営を左右できるようなものであることが必要である。企業の経営活動や管理活動が『投資・経営』の在留資格に該当するためには、当該企業が
この意味で外資系の企業であることが必要である。」とし、外資系企業の判断基準を提供。(   )内は、行政書士林幹が補充

また、「人文知識・国際業務」にて、日系企業(非外資企業)の経営を行っていた者は、たとえその経営する企業が外資系企業になったとしても、在留資格を直ちに「人文知識・国際業務」から「投資・経営」に変更する必要がない旨明記。


2.「企業内転勤」及び「技術」「人文知識・国際業務」について

「外国法人との契約に基づいて『技術』又は『人文知識・国際業務』の在留資格に係る活動を行う外国人に対して在留資格を決定するに際しては、本邦に設置された本店、支店等との間で新たな雇用契約が締結されていることを求める必要はなく、『企業内転勤』の在留資格における『公私の機関』と同様に
外国にある本店、支店等において行った外国法人との契約をもって契約に基づくものとして取り扱うこととなる。」とし、外国法人から日本国内の支店・駐在員事務所等へ派遣される外国人の活動が「企業内転勤」のみならず、「技術」又は「人文知識・国際業務」に該当し得ることについて明記した点極めて重要


平成16年2月17日 事務連絡は、法務省入国管理局フロントページに掲載されている総合規制改革会議の「規制改革の推進に関する第3次答申」に関する在留資格認定と同内容であるが、次ぎの部分はなぜか法務省HPからは削除されている。

「『企業内転勤』の在留資格における『公私の機関』には、
親会社、子会社、関連会社の関係にある会社も同一の公私の機関の一部とされているところ、『技術』及び『人文知識・国際業務』の在留資格における『公私の機関』についても、『企業内転勤』の在留資格における『公私の機関』と同様に取り扱うことが可能である。」

親会社、子会社、関連会社と関係にある会社」は明らかに別法人であり、これをもって「同一の公私の機関の一部」というのは無理があろう。


なぜ本事務連絡には、このような審査実務から著しく乖離する記述がなされたのであろうか?

私は次ぎのような思考ないし事情が本事務連絡の背景にはあるではないかと考える。

そもそも、審査実務を考慮せず、「企業内転勤」の法別表における文言を素直に読めば、「企業内転勤」と「技術」「人文知識・国際業務」とは構造的にパラレルに理解できるし、論理的にはそう解釈すべきとも思われる。

この点は、本事務連絡の「『企業内転勤』の在留資格に該当する場合、例えば転勤期間を限定しない限り『人文知識・国際業務』又は 『技術』の在留資格への該当性があることとなる。」との記述にも現れている。

ところで、「企業内転勤」の審査実務においては、本店・支店間の同一企業内の「転勤」のみならず、親会社・子会社間、さらにはそれらと関連会社間といった系列企業内の「転勤」も「企業内転勤」に該当するとの取扱いがなされている。

すなわち、論理と実務との帳尻合わせをしようとしたのではないだろうか?

より詳細に述べると次のような思考をたどったのではないかと推測する。

①「企業内転勤」と「技術」「人文知識・国際業務」は同一構造である。

②「企業内転勤」も「本邦の公私の機関との契約」が必要である。

※本事務連絡は、「『企業内転勤』の在留資格における『公私の機関』と同様に外国にある本店、支店等において行った外国法人との契約をもって契約に基づくものとして取り扱うこととなる。」とする。

③「企業内転勤」の審査実務においては、親会社・子会社間、さらにはそれらと関連会社間といった系列企業内の「転勤」も「企業内転勤」に該当すると取り扱われている。

④「企業内転勤」においては、
親会社、子会社、関連会社の関係にある会社も「同一の公私の機関の一部」である。

※「『企業内転勤』の在留資格における『公私の機関』には、親会社、子会社、関連会社の関係にある会社も同一の公私の機関の一部とされている」

⑤「技術」「人文知識・国際業務」においても、
親会社、子会社、関連会社の関係にある会社も「同一の公私の機関の一部」である。


「企業内転勤」と「技術」「人文知識・国際業務」をパラレルに理解し、なおかつ、「企業内転勤」は、本店・支店間といった同一企業内の転勤のみ対象とするとの理解に立てば、「企業内転勤」と「技術」「人文知識・国際業務」の相互関係を矛盾なく理解することができると思われる。

もっとも、「企業内転勤」が系列企業間の転勤をも対象とするとの解釈は実務上固まっており、上記のような理解で入管の審査を行うわけにはいかないだろう。法改正による解決が待たれるところである。




【平成16年10月1日 局長通達 法務省管在第5964号】

「入国・在留に係る処分に当っての留意事項について」

(全文:PDFファイル)

内容要旨)

1)入国・在留に係る申請に対する処分は,提出された資料,収集した資料及び実態調査等により判明した事実を公平かつ客観的に評価した上で正確な事実認定を行い,当該事実認定を基礎として法令等の定める要件に適合するか否かを判断することにより行うことが必要であること。

2)不許可・不交付の処分の通知に関して,その理由が示明確である等の指摘があることから、次の内容を処分に当り留意し、より一層の適正な処分を行うべきであること。

①要件への適合性の判断

・在留資格認定証明書の交付や上陸許可のような覊束行為については,法令が明示する要件以外の要件は一切あり得ないこと。

・特に,不利益処分を行うに当たっては,法令の定めるいずれの要件に適合しないのかについて,正確な事実認定に基づいて判断しなければならないこと。


・申請者に対しても法令の定めるいずれの要件に適合しないかを明示しなければならないこと。

・不法滞在,資格外活動等の問題が多数発生していることを理由として,特定の国籍等に属することをもって一律に不利益処分を行う等法令の定める要件に適合しないこと以外の理由により不利益処分を行うことはできないこと。

・在留資格の変更や在留期間の更新等については,直接的には基準省令の規定や「定住者」若しくは「特定活動」の在留資格に係る告示の規定の適用はないの で,これらの処分に係る申請について,基準省令や告示の規定を満たすことを画一的に求めて処分を行うことは,入管法第20条又は同第21条に規定する「適 当と認めるに足りる相当の理由」を十分に判断した、ものとは言えないこと。

・在留資格の変更,在留期間の更新等の一定の
自由裁量が認められている処分についても,各地方入国管理局が異なる要件・基準により判断することは許されないこと。

・厳格な審査を行う場合であっても,他の立証資料を求める,又は事実の調査を行うことにより許可要件への適合性を慎重に見一極める必要があり,許可要件そのものを新たに改定し又は変更したかのような誤解を招く処分をしてはならないこと。

②立証賓料の評価等

・法令の定める要件への適合性の判断の基礎となる事実認定についても,申請に際して提出された資料,当局が収集した資料や実態調査等で判明した事実に基づき,公平かつ客観的に行わなけれげならないこと。

・申請人に不利益な事実については,可能な限り
申請人に反証の機会を与えることとし、申請人側に立証責任があることをもって十分な調査を尽くさず,あるいは反証の機会を与えることなく不利益処分を行うことは許されないこと。


【コメント】
本通達は、在留資格認定証明書の交付や上陸許可を明確に覊束行為と述べるなど入管行政上極めて意義のあるものである。惜しむらくは地方入国管理局の現場で本通達の趣旨が十分反映されていないことである。



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