2017年10月27日

平成28年入管法改正 介護ビザ(在留資格「介護」)の概要

 


一般:基礎

 

 


 

 平成28年11月18日、改正入管法が成立し、同月28日、公布されました。本改正では、介護の業務に従事する外国人の受入れを図るため、在留資格「介護」が新設され平成29年9月1日から施行されています。

 

 

1.在留資格「介護」の対象となる活動

 

在留資格「介護」の活動内容は、「本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が@介護又はA介護の指導を行う業務に従事する活動」となります。

 

 

@介護に従事する活動

要介護者につき、食事、入浴、排せつなどの身体的介護を含め、介護全般に従事する活動


A介護の指導を行う業務に従事する活動

要介護者やその者を介護する者に対する指導を行う活動


@、Aのいずれも、その活動が専門的知識及び技術に基づくものであることが必要とされています。

 

 

 

 従来も大学や専門学校で介護を専攻した者がこのような活動に従事する場合は、介護学の分野に属する知識を必要とする業務に従事する活動として、在留資格「技術・人文知識・国際業務」に該当する余地はあったと思います。特に、Aの活動は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の該当性を肯定することは十分可能です。しかし、たとえ専門的知識及び技術に基づくものであるとしても、身体的介護に従事する活動が在留資格「技術・人文知識・国際業務」の該当性を有するか否か疑義がありました。少なくとも、立法時、身体的介護に従事する活動を想定して在留資格「技術・人文知識・国際業務」は制定されてものではありません。その意味で、身体的介護に従事する活動は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の類型性を欠くものといえます。在留資格「介護」の新設により、身体的介護を含めて介護に従事する活動が、専門的知識及び技術に基づくものとして位置づけられたことに今回の改正の意義があります。

 

 

 

 

2.在留資格「介護」の要件

 

 在留資格「介護」の要件は以下のとおりです。@とAは、入管法上の要件(在留資格該当性の問題)で、BとCは、法務省令上の要件(上陸許可基準適合性の問題)です。

 

@介護福祉士の資格を有する者であること(入管法上の要件)。


A本邦の公私の機関との契約に基づいて介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動を行おうとするものであること(入管法上の要件)。


B介護福祉士養成施設において介護福祉士として必要な知識及び技能を修得したこと(法務省令上の要件)。


C日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること(法務省令上の要件)。


 

 

 

@の「介護福祉士資格」を取得するには、次の3つの方法があります。


(ア)介護福祉士養成施設に指定されている専門学校等において必要な知識及び技能を修得した後に、国家資格に合格して資格を取得する方法


(イ)一定以上の介護等の業務に関する実務経験及び研修を経た後に、国家試験に合格して資格を取得する方法


(ウ)福祉系高校において必要な知識及び技能を修得した後に、国家試験に合格して資格を取得する方法



 しかし、在留資格「介護」においては、(ア)の方法によって介護福祉士資格を取得した者のみが対象となります。この点、従来、介護福祉士養成施設を卒業した者は、介護福祉士になるために介護福祉士国家試験に合格することは不要でした。しかし、社会福祉士法及び介護福祉士法の改正により、平成29年度から、介護福祉士養成施設を卒業した者も介護福祉士国家試験に合格することが必要となりました。もっとも、平成33年度までの卒業者については、卒業後5年間の経過措置が設けられています。