2008年09月02日

入管法問題


行政書士林幹が作成した入管法関係の問題です。入管法の理解の一助となれば幸いです。
少しずつ足していく予定です。

正しいか誤りかでご解答ください。


設問)

1.在留期間の満了日までに在留期間更新許可申請をしたところ、審査中に在留期間の満了日が経過してしまった。この場合、申請人は超過滞在となるが、申請が許可された場合には、在留期間満了後の在留は遡及して適法な在留となる。

2.日本人と婚姻し、「日本人の配偶者等」の在留資格を付与されていた者が再入国許可を得て出国中に日本人である配偶者と離婚した。離婚した以上、「日本人の配偶者等」の在留資格該当性はないので、たとえ再入国許可を有していても再入国できない。

3.「人文知識・国際業務」を有している者が「投資・経営」への在留資格変更許可申請をしたが、不許可の見込みとなり自らの意思で出国準備目的の「特定活動」に変更した。この場合、出国準備目的の「特定活動」を自ら希望した以上いかなる場合でも「投資・経営」への変更許可申請はできない。

4.在留期間の満了日が地方入国管理局の閉庁日である土日祝祭日である場合、在留期間更新許可申請は、土日祝祭日の前日までにしなければならない。

5.入管法5条は「1年以上の懲役若しくは禁固又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」を永久上陸拒否事由該当者としている。この点、執行猶予判決を受けた者は、「刑に「処せられたことのある者」に該当しないので、上陸拒否事由該当者に該当しない。

6.上陸拒否期間の定めのない上陸拒否事由に該当する者は、一度上陸特別許可を受けて上陸しても、再入国許可を受けて出国後、再入国する場合に、再度上陸特別許可を受けなければ上陸できない。












【解答】

1.正しい 2.誤り 3.誤り 4.誤り 5.誤り 6.正しい



【解説】

1.

昭和43年1月24日新宿簡易裁判所は、「外国人は旅券に記載された在留期間の末日には出国できるようにしておくべきもので、右在留期間が満了してもなお在留すれば不法残留の罪にあたると解すべきである」と判示。

しかし、控訴審である昭和43年10月22日東京高等裁判所第4刑事部は、次ぎのとおり判示。

「旅券に記載されている在留期間を経過して在留すれば、その在留は法的根拠のないものというべきあるが、在留期間更新が許可された場合には、その時からあらたに在留期間が始まるのではなく、以前の在留期間に引続いて在留期間が定められるのであるから、旧在留期間満了後の在留は遡及して適法な在留となり、その間の在留について不法残留の問題が残る余地はないのである。」

「若し在留期間更新が不許可とされた場合には、在留期間満了後の在留を、令第70条第5号に該当する在留であるとされることは一応これを肯認せざるを得ないものといわなければならない。」

「在留期間が満了すれば直ちに出国すべく、その後に及んでなお在留する者は不法残留の廉(かど)で刑罰を科せられるというのでは、余りにも右更新申請が正式に受理されたことに伴う申請者の利益を無視した偏頗な取扱いといわなければならない。」

「被告人の昭和41年4月24日の在留期間満了後同年6月13日在留期間更新不許可の通知を受けた日までの在留は、一応令第70条第5号に該当するが、右在留の動機、目的、態様や右法条の立法目的ないしは法秩序全体の見地から考えて、これを右法条によって処罰すべき程の実質的な違法性はないものと解するのが相当である。」