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【一般】
この場合、①「中国人が日本在住の場合」と②「中国人が中国在住の場合」があります。
◎中国人当事者にどちらの国の法令を適用すべきか?
日本国法例13条1項⇒中国法が準拠法として指定される。
(ご参考)
日本国法例13条1項「婚姻成立の要件は各当事者につきその本国法によりてこれを定む」
しかし、
中国民法通則147条⇒日本法が準拠法として指定される(日本国法例32条の反致の成立)
(ご参考)
・中国民法通則147条
「中華人民共和国公民と外国人の婚姻には、婚姻締結地の法律を適用し、離婚には案件を受理した裁判所の所在地の法律を適用する」
・日本国法例32条本文
「当事者の本国法によるべき場合においてその国の法律に従い日本の法律によるべきときは日本の法律による」
・平成元年12月27日中国外交部回答
「婚姻締結地の法律に照らして締結した婚姻に対しては、たとえ婚姻の実質的成立要件又は形式的要件のある事項が中華人民共和国の規定と符合しなくても、中華人民共和国は異議を表明しない」
・平成14年に明らかになった中国外交部の見解
当該婚姻について中国人当事者の実質的及び形式的成立要件は日本法による。
日本市区町村役所での婚姻届の提出(創設的婚姻届)
(日本人が用意するもの)
①戸籍謄本(本籍地以外に提出する場合)
②印鑑
(中国人が用意するもの)
①パスポート(原物)
②婚姻要件具備証明書(在日中国大使館・領事館で発行)
(②取得のための必要書類)
・パスポート
・出国前未婚公証書(未婚記載のあるパスポートコピーを中国に送付し、中国親族に用意してもらう)
・外国人登録原票記載事項証明書
・未婚保証書(中国大使館・領事館で入手・記載)
・公証申請書(中国大使館・領事館で入手・記載)
発行には4日(土日祝日を除く、急ぎの場合は2日)必要
料金:3,000円(急ぎの場合は6,000円)
③婚姻要件具備証明書の日本語訳
④印鑑
(ご注意)
日本で婚姻届を提出すれば法律上は中国でも有効のはずですが、在日中国大使館は日本限りで有効の結婚公証書しか発行しないようです(01年12月ごろ)。
もっとも、
最近は、在日本中国大使館にて戸籍謄本(婚姻の事実の記載のあるもの)の認証を得ると中国側のコンピュータに記録が反映される地域もあるようです。
その場合、中国側での手続は不要となります(03年)。
【平成14年(2002年)8月以降の見解】 中華人民共和国外交 部の見解が示され、日本にいる日本人と中国にいる中国人が日本が婚姻する場合も、当該婚姻について中国人当事者の実質的及び形式的成立要件は日本法による旨の考え方が中華人民共和国の正式見解であることが確認されました。 その結果、次のような「日本人と中国人を当事者とする婚姻について」と題する下記通知が平成14年(2002年)8月8日法務省民事局から出されました。
しかし、日本の方式による婚姻手続は当事者の出頭も不要な極めて簡易な方式であるため、実質的に「日本人の配偶者」であることの証明力が若干弱くなるとも考えられます。
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【従来の見解】(参考) 「日本にいる日本人」と「中国にいる中国人」が、日本において「日本の方式」(日本の市区町村長に適式な創設的婚姻届出をするという方式)によって婚姻しても、中国法上有効な婚姻とは認められない(いわゆる跛行婚)とされていました。 (根拠) ○「中国公民と外国人の婚姻登記手続に関する規定」1983年8月1日中華人民共和国民政部発布 ○平成3年(1991年)在日中華人民共和国大使館見解 (理由) 1.中国側では、中国法上の実質的成立要件について正確に審査されているのか不明であること 2.中国法上、婚姻登記機関に出頭することになっている形式的要件が充たされていないこと 3.婚姻の方式について厳格な本人出頭主義を採る中国法上、中国民法通則147条における「婚姻締結地」を観念することができないこと (岩井伸晃著「中国家族法と関係諸制度」47頁) もっとも、たとえ跛行婚であっても、我が国では、日本法及び中国法の定める実質的成立要件(法例13条1項)を満たしている限り、適法な届出であるので、この種の婚姻届の受理を拒むことはできないとされていました。 その結果、以下の内容の平成3年(1991年)8月8日法務省民二台4392号民事局第二課長通知(戸籍582号81頁)が出されました。 1.届出事件本人に対し、日本法上婚姻届を受理することはできるが、中国政府はこれを有効な婚姻とは認めない。 中国人配偶者が日本に渡航しようとしても、旅券(護照)が発給されない旨を説明し、当事者がそれでも受理を希望する場合には受理して差し支えないこと。 2.使者又は郵送による届出の場合は、1によることなく、そのまま受理して差し支えないこと。 3.婚姻届を受理するに当たっては、中国国籍の確認及び中国法上の婚姻の実質的成立要件の審査に必要な書類を提出させて審査すべきこと。 (参考法令) ○日本国法例13条【婚姻の成立要件】 1項「婚姻成立の要件は各当事者につきその本国法によりてこれを定む」 2項「婚姻の方式は婚姻挙行地の法律による」 3項「当事者の一方の本国法によりたる方式は前項の規定にかかわらずこれを有効とす。 但し、日本において婚姻を挙行したる場合において当事者の一方が日本人なるときはこの限りにあらず」 ※「『婚姻成立の要件』とは、婚姻の実質的成立要件を意味し、方式を含まないと解すべきである。」(山田鐐一著「国際私法新版」401頁) ※「婚姻の方式」のことを婚姻の形式的成立要件といいます。 ※「婚姻挙行地」とは、婚姻の届出がなされた地または婚姻の儀式が行われた地」(戸籍先例)を意味します。 ○中華人民共和国民法通則147条 「中華人民共和国公民と外国人の婚姻には、婚姻締結地の法律を適用し、離婚には案件を受理した裁判所の所在地の法律を適用する。」 ○日本国法例32条【反致】 本文「当事者の本国法によるべき場合においてその国の法律に従い日本の法律によるべきときは日本の法律による」 |
【参考文献】
○戸籍735号(平成14年10月)
○岩井伸晃著「中国家族法と関係諸制度」(テイハン)
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