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国際結婚の成立要件
(総論)



@ 婚姻の実質的成立要件⇒

婚姻の実質的成立要件:
婚姻の成立要件のうち、形式的成立要件、すなわち方式を除いた要件、有効な婚姻が成立するために必要な積極的もしくは消極的要件


各当事者の本国法(法例第13条第1項)で判断



A 婚姻の形式的成立要件⇒

形式的成立要件(l婚姻の方式):
届出とか儀式といった婚姻の外部的形式としての意思表示の表現方法

@.婚姻挙行地の法律(法例第13条第2項)

または

A.当事者の一方の本国法によった方式(法例第13条第3項本文)

に従います


但し、Aは、日本で婚姻を挙行した場合で当事者の一方が日本人である場合は適用されません


婚姻の実質的成立要件:

婚姻の成立要件のうち、形式的成立要件、すなわち方式を除いた要件、有効な婚姻が成立するために必要な積極的もしくは消極的要件

  積極的要件:婚姻が成立するために存在することを必要とする要件

  消極的要件:婚姻が成立するために存在しないことを必要とする要件

  婚姻障碍:積極的要件の不存在あるいは消極的要件の存在

    一面的婚姻障碍(一面的要件):

    「婚姻適齢に達しないこと」「父母、祖父母、後見人等の同意のないこと」「精神的ならびに肉体的に障害のあ    ること」「婚姻意思のないこと」など相手方と関係なく当事者の一方にのみ関するもの

     ⇒一方の当事者の本国法を適用

    双面的婚姻障碍(双面的要件):

    「近親関係にあること」「相姦関係にあること」「人種上・宗教上の理由にもとづき禁止されている男女関係に     あること」「配偶者のある者が重ねて婚姻すること」「再婚禁止期間ないし待婚期間に違反すること」など相手    方との関係において婚姻の障碍となるもの

     ⇒双方の当事者の本国法を適用(累積的適用)


形式的成立要件(l婚姻の方式):

届出とか儀式といった婚姻の外部的形式としての意思表示の表現方法


【婚姻挙行地法主義】

婚姻挙行地法主義とは、婚姻の実質的成立要件の問題は、婚姻挙行地の法律により規律されれべきであるとする考えです。


今日、アメリカのほか、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、チリなどの中南米諸国、フィリピン、ロシアなどの国際私法で原則的に採用されています。また、中国の国際私法(民法通則147条)においても、中国人と外国人との婚姻についてこの主義が採用されています。


(根拠)

1.婚姻の成立に関与する公的機関が、当事者の属人法をいちいち調査するのは煩わしく、
婚姻の成否をそのよく知らない法律によらしめることは妥当ではないこと

2.属人法によれば婚姻の成立が認められない場合であっても、挙行地法により認めるときには
これを認めて婚姻の成立を容易にすることが望ましいと考えられること

3.アメリカや中南米諸国は、開拓民や移民の受入国であったため、彼らが自ら決別してきた
国の法律に拘束されるのは不合理であると考えたこと




【国際結婚のパターン】

当事者の国籍と婚姻挙行地の組み合わせから、それぞれの方式が日本国国際私法上有効かどうか検討しました。

「効力」 ○=有効 ×=無効

当事者 当事者 婚姻挙行地 方式 効力 可否の理由、注意点
日本人 日本人 日本 日本法 国内的私法関係なので、民法の本来的効力として日本法による婚姻が可能
日本人 日本人 日本 外国法 × 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)
日本人 日本人 外国 日本法 「当事者の一方の本国法によりたる方式」は「有効」(法例13条3項本文)
日本人 日本人 外国 外国法 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)

※日本人同士の婚姻手続が可能かどうかは、当該外国法次第です
※婚姻成立の日から3ヶ月以内に、婚姻届(報告的婚姻届)を本籍地の市区町 村長または日本の大使、公使又は領事に「婚姻の成立を証明する書面」を提出しなければなりません
日本人 外国人 日本 日本法 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)
日本人 外国人 日本 外国法 × 「日本において婚姻を挙行したる場合において当事者の一方が日本人なるとき」は、「当事者の一方の本国法によりたる方式」は「有効」とはなりません(法例13条3項但書)
日本人 外国人 外国 日本法 「当事者の一方の本国法によりたる方式」は「有効」(法例13条3項本文)

※民法741条は、日本人同士が外国で婚姻を挙行する場合の規定なので、この場合、日本の市区町村長に郵送や第三者への委託により婚姻届を提出することになります
日本人 外国人 外国 外国法 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)

※婚姻成立の日から3ヶ月以内に、婚姻届(報告的婚姻届)を本籍地の市区町 村長または日本の大使、公使又は領事に「婚姻の成立を証明する書面」を提出しなければなりません
日本人 外国人 第三国 日本法 「当事者の一方の本国法によりたる方式」は「有効」(法例13条3項本文)

※民法741条は、日本人同士が外国で婚姻を挙行する場合の規定なので、この場合、日本の市区町村長に郵送や第三者への委託により婚姻届を提出することになります
日本人 外国人 第三国 外国法 「当事者の一方の本国法によりたる方式」は「有効」(法例13条3項本文)

※婚姻成立の日から3ヶ月以内に、婚姻届(報告的婚姻届)を本籍地の市区町 村長または日本の大使、公使又は領事に「婚姻の成立を証明する書面」を提出しなければなりません
※第三国で外国人当事者の本国法による方式に基づく婚姻手続が可能かどうかは当該外国法次第です
日本人 外国人 外国 第三国法 × 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」(法例13条2項)か「当事者の一方の本国法」(法例13条3項本文)による必要があります
外国人 外国人 日本 日本法 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)

※戸籍法は、日本に居住する外国人にも、属地的効力として適用されるので、外国人同士が婚姻した場合でも、婚姻届を提出する必要があります
※日本で行った婚姻手続が外国人各当事者の本国でも有効かどうかは、当該各外国法次第です
外国人 外国人 外国 日本法 × 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」(法例13条2項)か「当事者の一方の本国法」(法例13条3項本文)による必要があります
外国人 外国人 外国 外国法 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)
外国人 外国人 外国 第三国法 × 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」(法例13条2項)か「当事者の一方の本国法」(法例13条3項本文)による必要があります
外国人 外国人 第三国 第三国法 「婚姻の方式」は「婚姻挙行地の法律」による(法例13条2項)
外国人 外国人 第三国 外国法 「当事者の一方の本国法によりたる方式」は「有効」(法例13条3項本文)

作成:行政書士 林   幹



婚姻の実質的成立要件は、それぞれの当事者の本国法によります(日本人⇒日本法、外国人⇒当該外国法)

※「可否」は日本の国際私法上有効か否かです。外国人当事者の本国法や第三国法でも有効かどうかは、当該外国法次第です

※第三国法とは、当事者以外の国の法律を意味します







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行政書士 林 幹 国際法務事務所

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